週末に日本文学協会の大会が日本大学文理学部で開催された。関係者のみなさん、おつかれさまでした。
日文協は戦後もっともはやく組織された学会で、当初は戦後気分が横溢。何しろ日本の文学研究および学会を「民主化」することを謳った学会である。左翼運動と旧アカデミズムが手を結んで、新たな学界再編を目指した。それから半世紀以上の幾星霜。すっかり政治的な圭角はとれたのだけれど、毎月、機関誌を出していることもあって、若手にとって重要な研究発表の場になっている。ぼくもかつて委員のひとりとしてサポートして来たのだけれど、この間はさっぱり御無沙汰していた。久しぶりのご奉公と思って会場提供の一翼をになったのだが、いかんせん参会者が少ない。土曜日の国語教育部会は50人以上いたが、日曜日の文学部会は50人いたかどうか。懇親会は30人を切る状態。なぜ、ぼく自身が御無沙汰していたかについては、いろいろ理由も反省点もあるのだけれど、参加しない、できないひとたちにもたくさん理由や事情があるのだろう。その辺をさらって再検討すべきときではないかな。これまでの学会のあり方やシステムも改革の時期に来ているのかもしれない。
先月は三重大学で日本近代文学会の秋季大会もあった。こちらは地方大会にもかかわらず、200人以上の盛会。懇親会も120人ぐらいはいたろうか。三重大学のみなさんの素晴らしいサービスで、伊勢の食材やお酒がたくさん並び、みごとな歓待ぶりだった。それに比べて、日大文理は、と嘆きたくもなるが、しょせん東京の大学で新鮮な食材調達は予算的に不可能。来年春は日本近代文学会の春季大会の会場校となるので、今回の日文協の経験を踏まえて多少は工夫をしないといけないかと頭を抱えている。何せ、大会会場となる部屋の最大キャパシティが240人なので、2会場同時進行でやることになる。ほかにも同じ校舎のフロアで150人の部屋、100人の部屋などを複数、押さえてあるので、分科会形式も十分、対応可能。やはり大事なのはそのときのパネルや発表。ぜひ、たくさんの方たちに企画を立てていただき、学会運営委員会に応募してください。いろいろ制度を変えても、しょせんは人が動かすものというのももうひとつの真実。魅力的な企画や発表が並ぶことをまずは期待しています。
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