家族に病人が出て、と書いて心配いただいた方もいたので、正直に書くと、今年で84歳になる母親の病状がかなり厳しくなっていました。去年の11月から一ヶ月ほど入院していたのですが、この元国立病院の医者がひどいので、いったん退院。年末年始、熱海で一緒に過ごしたのですが、衰弱が日に日に増す上に、在宅介護もむずかしい病状であることが分かって、再度、信頼できるお医者さんのいるべつな病院に入院したのです。
それはそれで年齢もあるし、病気と闘うしかないので、母親を応援していくということなのですが、いささかボケ症状も出始めた母親と話していると、会話が面白いことになっていく。この歳になってこんなに母親と話すことになるとは思わなかったけれど、病気で、しかもところどころ物忘れがひどくなってくると、話も行きつ戻りつしながらエンドレス状態になってくる。なかでも、すごいのが母親の会話に登場する謎のおばあちゃん。「あのおばあちゃん、帰った?」という一言で、こちらはギクリとし、「えっ、どのおばあちゃん?おばあちゃんなんていないよ」とうろたえて答えると、「いたわよ。帰ったのかしら」と来る。なんで、いるはずのないおばあちゃんが登場するのか。おばあちゃんは自分のことじゃないのと尋ねても違うという。大昔、戦前に亡くなった母親のおばあちゃんのことかとも思うのだけれど、よく分からない。容貌や特徴を聞いても、だれか分からない。もちろん、我が家には84歳に近いおばあちゃんは誰もいない。これだけ聞くと、ホラーなんだけれど、さりげない日常会話なのです。
ボケちゃったのかなと思ってすませていたら、母親の義姉、母親の実の兄はもう亡くなっていて、その奥さんにあたる人がやはり物忘れがひどくなっているらしいのだけれど、従妹の話だと、そのおばさんの会話で謎のおばあちゃんは登場するという。どうも高齢女性で記憶障害が出て来ると、謎のおばあちゃんが現れるらしい。いったい彼女の正体は何なんだろう。何か悪さをするわけではなく、そっとやって来て、いつのまにか帰って行くらしい。
母親の病状が少し回復したらまた尋ねてみるつもりです。
はじめまして。正確には大変ご無沙汰しておりますということになるかと思います。
幼少期を小平で過ごしました。その折り、お母様に大変にお世話になっていたはずです。私は現在43歳の主婦ですが、時折りお宅にお邪魔させていただいていたこと、おぼろげながら覚えています。本に埋もれていらっしゃいましたよね。
お母様のご病状を案じて失礼かなと思いつつ突然書きこみさせていただきました。旧姓山口と申します。父は既に他界しました。お母様にずいぶんかわいがっていただいた母は元気にしております。
その折は、本当にありがとうございました。母に代わりお礼申し上げます。現在、私が本に溢れて生活しておりますのは紅野家の影響が少なからずあるのでは・・と考えております。母はお母様の影響をどこかで受けておりましたから。
投稿情報: 旧姓山口 | 2010年1 月27日 (水) 20:29