一年前までミネソタ大学で先生をしていたマイク・モラスキー氏(『戦後日本のジャズ文化』『ジャズ喫茶論』の著者)。突然、大学を辞めて日本に移住。この四月から一橋大学への転職に成功した。去年、マイクと西荻窪で会って居酒屋巡りをして以来、友人となったのだが、そのマイクがJAZZライブも再開。お茶の水の「NARU」に聞きに行った。もはやアマチュアの域を超えたということは知っていたけれど、ライブで聞くのは初めて。ベースの工藤精さんとはその前から組んだことがあったようだけど、ドラムスの力武誠さんとはこの日が初対面だそうな。JAZZとはそういうものだけど、はてさてどうなることかと固唾をのんで見守る。7時半からの最初のセッションは肩慣らしふうにそろそろと始まる。だんだん呼吸があってきたのが第2セッション。第3セッションともなると、乗りに乗ってきて、3人が渾然となってくる。なかでも力武さんのドラムスがいい。マイクも実に楽しそうで、久しぶりにJAZZの快楽を堪能した。このところ、まったくライブに行く余裕がこれっぽっちもなかったものね。ちなみにマイクはソロピアノの初のCDを出した。タイトルは「Dr. U-TURN」。マイルス・デイヴィスやセロニアス・モンクの曲をカバーしているのもあるが、マイク自身のオリジナル曲が6曲も入っている。そのキャッチコピーがこれ、「学者にしておくのはもったいない!」。たしかに。しかし、日本の大学が暇を与えてくれないから、このあとしばらくはライブ活動はお休みだそうな。