ぶじに昨日の成均館大での講演は終了。タイトルは「文学をどのように資本化するか—1920年代の著作権・出版権と言論統制」というものでした。わずか50分たらずの話でしたが、日帝時代の朝鮮半島の言論統制と日本の言論統制についていろいろ議論が飛び交い、刺激的な時間でした。そのあとも延々と懇談&宴会がつづき、ようやく日にちが変わってからホテルへ。
今日は高榮蘭さんとソウル観光。南山公園にケーブルカーでのぼり、南山タワーの下まで行きましたが、ここもずいぶん風景が変わっていました。おもしろかったのは、この公園のフェンスにつけられた鍵、鍵、鍵…。
恋人同士が愛を誓うためにつけた鍵なんだそうですけど、韓流ドラマの底に流れる心情と通底していますね。外から来たばかりの者にはまだ分かりませんが、鍵で何とかなるものではないことはもちろんのこと(余計な一言)。信がおけないことだから鍵でつなぎとめておこうというのか、自分たちの弱さを知っているがゆえにこそ、物質的な鍵の強さを求めようとしているのか。
夜は、旧友朴裕河さんと再会。こちらに来て初めて焼き肉を頬張る。路上では恋人らしき男性の顔面をぶん殴る女を見かける。やはり鍵をかけても、心の鍵をかけあうのはむずかしんだろうな。うーん、それにしても、鍵といい、喧嘩といい、ソウルはやはりたくましい。