このたびブログを別のサーバに移すことになりました。URLも変更になりましたので、お手数ですが、下記のURLに変えていただけますよう、お願いいたします。
紅野謙介ブログ http://konokensuke.ldblog.jp
桜が散ったら、さくらんぼがふくらみ始めました。これは数日前の写真だけど、さらにいまはどんどんふくらんできています。今日明日の低気圧で風が強くなるらしいけど、落ちないことを祈ります。去年はいいところで強風のため壊滅的な被害にあいましたから。今年は寒肥もたくさんあげたので、たくさん実がつきました。
ところで、久しぶりの土曜休日。まだ雨がふりだす前に朝、収穫した野菜類。庭にたくさん三つ葉が出て来ているので、それをつんで昼食のパスタに。それとサニーレタスにチコリ、イタリアンパセリとセルバチコ(ルッコラの原種)は夜のサラダ用食材です。いまは日ごとに葉がのびていく時期なので、毎日のようにつまないと逆に荒れてしまうのです。 なんだかんだといろいろあって、週末も休めなかったので、今日のような休みはありがたい。しかし、明日、日曜日は付属高校の入学式。略礼服で出かけます。
日本近代文学館のホームページは、これまで手作り感がいっぱいで、デザイン的な統一性がなかったのですが、今回、内容は同じものの、デザインを一新しました。半年以上前から、文学館の徳永さんとともに制作会社の選定から始まり、細かい指定をつけて作業をつづけてきました。それがようやく完成、お披露目となった次第です。ぜひ、訪ねてみてください。こちらから入れます。まだ、少し動作が遅いように感じられますが、これからも改善につとめます。新たにデジタル化しつつある日本近代文学館をご利用下さい。
先日、麻布中学・高校の校長・氷上信廣さんの退任の会があった。氷上さんは麻布に40年近くつとめられ、最後の10年は校長職にあったが、いよいよ新校長の平先生に交代されることになり、そのお披露目の会が市ヶ谷で開催されたのである。この学校にぼくがつとめたのはわずか6年に過ぎなかったけれども、氷上さんという強烈な「倫理」教師の存在は生涯あざやかに残った。まったく自由で放任主義のように見られる学校の校風を大事にすること、そして同時に宿命として進学校でありつづけること。そうしないかぎり前者の自由もまた成り立たない。そうしたアポリアを抱えながら、しかし、徹底して思索することを勧め、批評的な野性を育てつつ、校風という不思議な伝統を生かしたのは、氷上さんに代表される麻布教師集団であった。退職にあたり、氷上さんは「汝の馬車を星に繋げ」という上下2巻の麻布文庫を出した。麻布文庫は麻布学園が発行している新書サイズのシリーズで、加藤史朗さんの「江原素六」をはじめ、現役やOBの教員たちが執筆している。氷上さんの本は、エマーソンの言葉にちなむ標題で、10年間の入学式・卒業式などセレモニーでの式辞、読書エッセイや亡くなった方への追悼などが収められている。これが実にいい。いまの中学高校である。平穏な日常があるはずがない。日々起きるさまざまな出来事に対応しながら、しかし、そのなかで知的であること、思索的であることが平易に説かれている。現役の教師で、これほど尊敬できる教師に出会ったことはなかったが、その氷上さんもいよいよ定年を迎えた。祖父は南原繁、父はニーチェ学者の氷上英廣(中島敦全集編纂者)という血筋を背負いながら、沖縄宮古島のハンセン病診療所へのボランティア活動を終生つづけ、ついに宮古へ永住するという。おつかれさまと言うとともに、次のはじまりに期待しよう。
人文研総合研究の研究会の一環で、今年度最後のイベントです。韓国延世大学の金杭さんをお招きし、「理想主義と反革命の離接:李光洙 「民族改造論」 を読む」というタイトルで講演をお願いしました。学外からでも参加できますので、ご関心のある方はふるってどうぞ足をお運び下さい。
・ タイトル:理想主義と反革命の離接:李光洙 「民族改造論」 を読む・ 講演者:金杭(韓国延世大学、雑誌『創作と批評』編集委員)・ 日時:3月22日(金)16:00~18:00・ 場所:日本大学文理学部 百周年記念館2階 会議室3
金杭 (KIM HANG)さんは政治思想・日本思想史専攻。主要な著書としては『帝国日本の閾』(岩波書店)、『語る口と食べる口ー「終焉時代」の終焉と新たな思想への模索』(セムルキョル2009、韓国語)など、訳書(韓国語)にアガンベン『例外状態』、シュミット『政冶神学』、『三島由紀夫vs東大全共闘―1969-2000』、廣松渉『「近代の超克」論』などがあります。
もうひとつやっかいなファクターがあります。合格者が入学手続きをしても、3月末までに申し出ればいったん支払った入学金等を返還してもらえるような仕組みが数年前から出来ているのです。つまり、滑り止めの大学に受かった。入学手続きをしておく。その後、狙っていた大学も合格となった。そこで前の大学は辞退し、納付金は返還してもらうというわけです。かつての大学はやらずぼったくりのような真似をしていたのですから、この仕組み自体は悪いことではない。しかし、入学者数を確定していく作業においては流動的な要因を増やしたことになります。うちの場合は、入学金と前期授業料を一括手続きをした人、2段階手続きをした人に分けています。2段階というのは第1段階で入学金納付、第2段階で授業料納付となります。第2段階までいけば確定ですが、第1段階でとまり、返還に進む人も現れます。この割合をまた各学科ごとに出して、歩留まりを計算していくのです。辞退するか否かの時期的な境目は、国立大学の2次試験の発表です。これが3月中旬。まさにいまちょうど境目が来ている。日々、納付金の払い込み状況の報告を受けながら、次の作業に入るかどうかを検討する。まさに入学試験という仕事は、こうした数字と時間にふりまわされる神経戦の様相を呈しているのです。